ハイドン/交響曲第6番「朝」・第7番「昼」・第8番「晩」
(Haydn : Symphony No.6 "Le Matin" / No.7 "Le Midi" / No.8 "Le Soir")

1761年、29歳のハイドンはそれまで仕えていたモルツィン伯爵家から解雇されました。伯爵家の経済的状況の悪化が原因でしたが、ハイドンの楽才はすぐに次の就職先を獲得いたします。
ハンガリーのエステルハージ侯爵家。ハイドンは侯爵家に副楽長として雇われました。そして1790年まで約30年間にわたり、ハイドンは侯爵家の専属楽士として生活することになります。

再就職後最初の交響曲として作曲されたのが、第6から第8までの三部作「朝」「昼」「晩」でございます。作曲時期は1761年, 雇用された年と推定されております。
三部作のアイディアはエステルハージ侯爵本人から与えられたものらしく、ハイドンはその希望に従って、生涯唯一と申してよい標題的交響曲を作曲しました。

この三部作は初仕事という意気込みもあってか、さまざまな試みがなされており、興味深い作品となっております。
「朝」と「昼」には第1楽章に序奏がございますが、これはおそらくハイドン交響曲における最初の例と思われます。また、「昼」は異例の5楽章構成で、第2楽章として「レチタティーヴォ」が挿入されております。さらに「晩」の終楽章は「嵐」と題されており、これもハイドンとしては珍しい例でございます。
3曲ともに合奏協奏曲ふうに独奏楽器が活躍するのも特色で、これはハイドンが侯爵家の個々の楽団員にスポットライトを当てるのが目的だったようですが、交響曲を音色的に多彩にする効果を発揮しております。

ピアノ連弾用の編曲はちょっと見当たりませんでしたので、やむをえずJun-Tが編曲いたしました。
ピアノで演奏された3つの交響曲、お楽しみいただければ幸甚でございます。


交響曲第6番ニ長調「朝」(Symphony No.6 in D major "Le Matin") 
  
第1楽章/アダージョ ― アレグロ(I. Adagio - Allegro) 
  第2楽章/アダージョ ― アンダンテ(II. Adagio - Andante) 
  第3楽章/メヌエット(III. Menuetto) 
  第4楽章/フィナーレ:アレグロ(IV. Finale : Allegro) 
  ◆交響曲第6番ニ長調「朝」・全曲連続再生 
(2025.11.30〜12.4)

交響曲第7番ハ長調「昼」(Symphony No.7 in C major "Le Midi") 
  
第1楽章/アダージョ ― アレグロ(I. Adagio - Allegro) 
  第2楽章/レチタティーヴォ:アダージョ(II. Recitativo : Adagio) 
  第3楽章/アダージョ(III. Adagio) 
  第4楽章/メヌエット(IV. Menuetto) 
  第5楽章/フィナーレ:アレグロ(IV. Finale : Allegro) 
  ◆交響曲第7番ハ長調「昼」・全曲連続再生 
(2025.12.6〜12.10)

交響曲第8番ト長調「晩」(Symphony No.8 in G major "Le Soir") 
  
第1楽章/アレグロ・モルト(I. Allegro molto) 
  第2楽章/アンダンテ(II. Andante) 
  第3楽章/メヌエット(III. Menuetto) 
(2025.12.12〜)

◇「ハイドン/交響曲選集」に戻ります◇
◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T  ◇録音:jimma