ラヴェル/ソナチネ
(Joseph-Maurice Raval : Sonatine)

20世紀の初め頃、20歳代後半に入ったラヴェルは充実した作品を続々と発表し始めました。「水の戯れ」(1902)、歌曲集「シェヘラザード」、弦楽四重奏曲(1903)、「鏡」、「序奏とアレグロ」(1905)などがその代表的な作品群ですが、ピアノのための「ソナチネ」も1903年頃に書き始め、1905年に完成した作品でございます。
この時期の作品らしく、曲は当時の先端的な技法を用いながらも、典雅かつ端正な古典的格調を保った緻密で完成度の高い作品に仕上がっております。

曲は3つの楽章から成り、「ソナチネ」のタイトル通り簡潔な伝統的形式に従っておりますが、古めかしさはまったくありません。また、フランス音楽らしく、循環形式ふうの手法がさりげなく使われているのも魅力のひとつでございます。
中庸な速度で豊かな旋律性をもった第1楽章、緩やかなテンポで近代的にアップデートされたメヌエットの第2楽章、ダイナミズムと繊細さが共生する快速な第3楽章。いずれもきわめてすぐれた音楽と申せましょう。

初期ラヴェルの最上の作品のひとつであるピアノのための「ソナチネ」、お楽しみいただければ幸甚です。


第1楽章:ほどよい速度で(I. Modéré) 
第2楽章:メヌエットの動きで(II. Mouvt de Menuet) 
第3楽章:生き生きと(III. Animé) 

ソナチネ・全曲連続再生 

◇あそびのエトセトラに戻ります◇
◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma