チャイコフスキー/白鳥の湖 作品20 (Tchaikovsky : Swan Lake, Op.20) |
1875年の春、モスクワのボリショイ劇場はチャイコフスキーに新作バレエの作曲を委嘱し、「白鳥の湖」と題された台本を作曲者に渡しました。この時期、チャイコフスキーは音楽院での授業と作曲、それに加えて新聞紙上での評論執筆と多忙でしたが、それでもこの仕事を引き受けました。その年の秋、チャイコフスキーはリムスキー=コルサコフに宛てて、以下のように書いております。 「モスクワ総局の要請で、私はバレエ『白鳥の湖』の音楽を書いています。この仕事を引き受けたのは、生活に必要なお金のためでもあり、また、以前からこの種の音楽を書いてみたいと思っていたからでもあります」
作曲は第3交響曲や第3弦楽四重奏曲など、他の作品と並行して継続され、1876年4月10日に完成しました。ほほ1年間にわたる作曲期間でございます。
1894年、チャイコフスキー追悼公演として「白鳥の湖」第2幕が上演され、1895年に全曲が蘇演されました。しかし、この上演では原曲に著しく手が加えられており、ほぼ原曲に近い形での全曲上演は、ようやく1953年になってからでした。
本来の全曲は4幕構成ですが、今日ではもとの第1幕と第2幕を合わせて第1幕とし、全3幕構成で上演されるのが一般的のようでございます。
ここで取り上げておりますピアノ用のスコアは、チャイコフスキーの友人でモスクワ音楽院の同僚でもあったニコライ・カシュキン(Nikolay Kashkin;1839〜1920)によるものです。この編曲はチャイコフスキー自身の要望で作曲直後に作られたもので、原曲にもっとも近い姿と考えられます。ただし、最初の「イントロダクション」のみは、チャイコフスキー本人が編曲しております。 | |
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【第 1 幕】(Act I) | |
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【第 2 幕】(Act II) | |
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【第 3 幕】(Act III) | |
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![]() ![]() (XVI. Danses du corps de ballet et des nains) | |
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◇編 曲:N. カシュキン ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma | |