Prelude and Three Rheine Maidens

太古のラインの河底の音楽的表現でございます。
ワーグナーはこの超大作の冒頭を、なんとも大胆かつ驚異的な手法で始めます。

曲頭の低音の変ホ音。続いて現れる、これも低音の変ロ音。この2音による空虚5度の和音がしばらく続き、やがて上昇する変ホ長調の動機が現れますが、これは主和音の分散型になっております。
そして、ここからおよそ120小節にもわたって、変ホ長調主和音というただ1個の和音に基く音楽が延々と続くのでございます。
いってみれば、ただ1個の和音による変奏曲。それがこの前奏曲でございます。こういう発想は、とても常人には不可能としかいいようがございません。

前奏曲に続いて、3人のラインの乙女が登場いたします。この部分では波の動機に乗って素朴でしかも清冽な旋律が軽やかに歌われます。


この曲は、実にピアノ向きでないと申しますか、私の能力ではとうてい本来の音響的効果を引き出すことができませんm(__)m
しかしながら、「指環」のオープニングに相当するこの前奏曲を割愛するのもどうかと思い、無理やり編曲いたしました。不出来の点はどうかご容赦願いますm(__)m

なお、本来ならばラインの乙女たちの歌に続いて、ただちにアルベリヒが登場して音楽の雰囲気が変わるわけですが、ここでは1曲として終わらせるために、原曲にない数小節を作曲して曲の結びとしましたことをお断りいたします。

(2005.3.28)
◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T  ◇録音:jimma

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