A Curse of Alberich

愛を断念した代償として手に入れた黄金の指環を、あっさりとヴォータンに騙し取られ、どす黒い憤怒に燃えるアルベリヒ。
その憤怒は呪いとなって、指環に封じ込まれます。
この指輪を持つ者は、世界支配の力を得ると同時に、無惨な死の運命をも背負うのです。
この呪いがヴォータンを呪縛し、やがて神々の黄昏への扉を開くのでございます。

アルベリヒの憤怒を表現するシンコペーションの動機に続いて、上昇・下降するアーチ型の「アルベリヒの呪いの動機」が現れます。この動機は「指環」の要所要所に現れ、物語がアルベリヒの呪いを軸として進行していることを暗示いたします。

ちなみに、この「呪いの動機」をもっと調性的にし、旋律的な経過音を挿入いたしますと、後に現れる「ジークフリートの動機」ができあがります。
ジークフリートは世界を救う英雄として生まれた存在ですが、そのジークフリートさえも呪いの呪縛からは逃れられないことを象徴しているように思われます。

(2005.4.21)
◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T  ◇録音:jimma

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