ビゼー/組曲「ローマ」
(Georges Bizet : Sinfonía Roma)

ビゼーは1857年、19歳の時にローマ大賞を受賞し、多額の奨学金を授与されてローマに留学しました。この2年間のイタリア滞在中に各地を旅したビゼーは、1860年頃にイタリアをテーマとした4楽章の交響曲に着手し、1861年11月にはスケルツォ楽章が「ヴェネツィア」という曲名で非公開で初演され、1863年1月には公開初演されました。初演は成功しませんでしたが、再演ではそれなりの評価を受けたようでございます。

1866年、28歳の年には全曲が書き上げられ、各楽章には「ローマ」「ヴェネツィア」「フィレンツェ」「ナポリ」という題が与えられました。しかし、この初稿はビゼーには納得がいかず、ただちに改訂に着手。1868年、30歳の年にようやく完成し、1869年2月に交響的幻想曲「ローマの思い出」という曲名で初演されました。
ところが、ビゼーはこれにも満足できず、さらに改訂の筆を執ります。この第3稿は1871年には完成しましたが、初演はビゼー没後の1880年のことでした。第3稿の曲名は「ローマ − 4部から成る交響曲」とされましたが、出版の際には「ローマ − 演奏会用の第3組曲」に変更され、各楽章には「序奏とアレグロ」「スケルツォ」「アンダンテ」「謝肉祭」という題名が与えられました。

現在では、この曲のタイトルは組曲「ローマ」とされることが多いかと存じます。
ビゼーの本領は「カルメン」に代表される舞台音楽のジャンルにあり、「ローマ」は交響曲ハ長調や組曲「子供の遊び」などと並ぶ数少ない器楽曲の有名作と申せましょう。

ここで使用しておりますのは、ビゼー自身の手に成るピアノ連弾用のアレンジでございます。
お楽しみいただければ幸甚でございます。


第1楽章/アンダンテ・トランクィロ ― アレグロ・アジタート 
     (I. Andante tranquillo - Allegro agitato) 
第2楽章/スケルツォ:アレグレット・ヴィヴァーチェ(II. Scherzo : Allegretto vivace) 
第3楽章/アンダンテ(III. Andante) 
第4楽章/フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチッシモ(IV. Finale : Allegro vivacissimo) 

組曲「ローマ」・全曲連続再生 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編曲:G. ビゼー ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma