歌劇「カルメン」 (Georges Bizet : Carmen) |
「カルメン」といえば、知らない人も知っているというくらいに有名なビゼーの代表作でございます。 作曲は1875年、ビゼー最晩年でございます。初演は失敗に終わり、ビゼーは相当に落胆いたしましたようで、そのせいだかどうだか、初演のわずか3ヵ月後にこの世を去ってしまいました。 ビゼーの作曲した「カルメン」は、ちょうどモーツァルトの「後宮からの誘拐」や「魔笛」のような歌芝居でございまして、台詞の部分には音楽が付いておりませんでしたが、作曲者の没後、友人のエルネスト・ギローがレチタティーヴォを作曲し、再演されて成功を博して以来、世界中の歌劇場になくてはならないレパートリーとして定着しております。
このオペラはメリメの小説を原作としておりまして、魔性の女カルメンに心を奪われたドン・ホセが、身も心も捧げつくした挙句ぼろ雑巾のように捨てられて、激情のあまりカルメンを刺し殺してしまうという、三面記事みたいな事件をテーマにしております。 |