ドヴォルザーク/弦楽五重奏曲変ホ長調 作品97
(Antonín Dvořák : String Quintet in E flat major, Op.97)

ドヴォルザークには3曲の弦楽五重奏曲がございます。作品1のイ短調(1861年作)と作品77のト長調(当初は作品18・1875年作)は、いずれも作曲家の知名度が高まる前の作品で、演奏機会も多くありません。
それに対して、第3番に相当する変ホ長調の作品97は、「新世界」交響曲や「アメリカ」四重奏曲と同時代の作品で、円熟期のドヴォルザークらしい、実に魅力的な充実した佳作と申してよろしいかと存じます。

ナショナル音楽院院長として渡米した翌年の1893年は、ドヴォルザークにとってきわめて実り多い年でした。5月に「新世界」交響曲、6月に「アメリカ」四重奏曲、そしてその1か月後にこの弦楽五重奏曲が完成いたします。
これらの作品にはドヴォルザークの感性によるアメリカ的な要素が満ちておりますが、同時にこの作曲家らしい巧みな構成と旋律美によって、後期の代表作としての地位を保持しております。

弦楽五重奏曲は4つの楽章から成ります。
五音音階が耳に残るソナタ形式の第1楽章、四拍子のスケルツォふうの第2楽章、変奏曲で書かれた第3楽章、そして付点リズムが特徴的で快活なロンドの終楽章。
有名な「アメリカ」四重奏曲と比べても、内容的には引けを取らない作品と申せましょう。

ここでは、この作品をピアノ連弾の形で掲載しております。多少なりともお楽しみいただければ幸甚でございます。


第1楽章:アレグロ・ノン・タント(I. Allegro non tanto) 
第2楽章:アレグロ・ヴィーヴォ(II. Allegro vivo) 
第3楽章:ラルゲット(III. Larghetto) 
第4楽章:フィナーレ:アレグロ・ジュスト(IV. Finale : Allegro giusto) 

弦楽五重奏曲変ホ長調 作品97・全曲連続再生 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇編曲:A. ドヴォルザーク ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma