ルーセル/へ調の組曲 作品33
(Albert Roussel : Suite en fa, Op.33)

ルーセルはドビュッシー、サティ、ラヴェルらとほぼ同世代のフランスを代表する作曲家で、20世紀前半に活躍した人物です。
初め海軍士官として生活し、25歳で海軍を退役してスコラ・カントゥルムに入学。ここで本格的に作曲を学び、38歳で卒業するまで研鑽を続けました。
このような経歴から、上記の作曲家たちに較べて作曲家としてのスタートは遅かったと申せましょうが、スコラ・カントゥルム卒業後には第1交響曲、ピアノのための組曲やソナチネ、そしてバレエ「蜘蛛の饗宴」などによって、知名度は着実に高まりました。

キャリアの最初の頃、印象派の影響下にあったルーセルですが、やがて生来の古典的性向が表面化し、1920年代には堅固な構成、強靭なリズム、ごつごつした風合いなどの特徴により、ルーセルの独自性が確立されました。

「へ調の組曲」は1926年、円熟期を迎えたルーセルの代表作のひとつでございます。
1921年作の第2交響曲を聴いて感銘を受けた指揮者のセルゲイ・クーセヴィツキ―の委嘱により、1925年に作曲され、翌年の1月にクーセヴィツキ―指揮のボストン交響楽団によって初演されました。

全曲は3つの楽章から成り、ルーセルの新古典主義の特色をふんだんに盛り込んだ簡潔かつダイナミックな音楽となっております。

「あそびの音楽館」では、この作品をルーセル自身の編曲によるピアノ連弾版で公開することにいたしました。
色彩豊かなこの曲をピアノで演奏することで原曲の面白味が著しく損なわれるのはもとより承知しておりますが、万が一お楽しみいただければ幸甚でございます。


第1楽章/前奏曲:アレグロ・モルト(I. Prélude : Allegro molto) 
第2楽章/サラバンド:レント(II. Sarabande : Lento) 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲:A. ルーセル ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma