サン=サーンス/ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品22
(Saint-Saëns : Piano Concerto No.4 in C minor Op.44)

1868年に作曲・初演された第2ピアノ協奏曲は、サン=サーンスの5つのピアノ協奏曲中もっともよく知られた作品のひとつでございます。

当時30歳代初めのサン=サーンスは、オペラやバレエが中心だったフランス楽壇では、抽象的な絶対音楽やリストに通じる交響詩などに精力的に取り組む姿勢から、尖った異端児的な扱いを受けておりました。現代の目から見ると意外な気もいたしますが、青年期から壮年期にかけてのサン=サーンスは、フランスでは急進的で難解な作品を書く人物として認識されていたようでございます。
そのような時代に初演された第2ピアノ協奏曲も、そのような時代風潮の中で、非常に冷淡に受け取られたということでございます。

第2ピアノ協奏曲は、協奏曲としては特異な構成をとっております。
遅いテンポの第1楽章、軽快なスケルツォの第2楽章、急速なタランテラふうの終楽章と、テンポの設計だけで見ますとちょうどベートーヴェンの「月光ソナタ」を連想させるものがございます。一見非常に自由な構成のように思えますが、各楽章はすべてソナタ形式で書かれており、意外なほど骨太の構築が成されております。

ここで取り上げました2台ピアノ用の編曲は、ロッセル(Adam Laussel;1845〜1893)という人の手に成るものでございます。
ピアノのみで演奏された第2ピアノ協奏曲、お楽しみいただければ幸甚です。


第1楽章/アンダンテ・ソステヌート (I. Andante sostenuto) 
第2楽章/アレグロ・スケルツァンド (II. Allegro scherzando) 
第3楽章/プレスト (III. Presto) 

ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品22・全曲連続再生 

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編曲:A. ロッセル ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma