シューマン/ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47
(Robert Schumann : Piano Quartet in E flat major, Op.47)

シューマンの「室内楽の年」といわれる1842年には、5曲の本格的な室内楽が生まれましたが、ピアノ四重奏曲はそれらの中で最後に書かれたものでございます。
10月から11月にかけて、およそ1か月をかけて書き上げ、翌1843年4月に自宅で私的初演。その結果を受けて、シューマンは6月に曲を改訂します。
公的初演はやや遅れて1844年の12月、ライプツィヒで妻のクララのピアノとライプツィヒ音楽院教職メンバーによって行われました。

ピアノ四重奏曲というジャンルはピアノ三重奏曲やピアノ五重奏曲に較べると、ややマイナーな印象があるかと存じますが、モーツァルトに始まり、ブラームスやフォーレにすぐれた作品がございます。シューマンの曲はそれらに伍して光彩を放つ名作と申してよろしいかと思われます。

全曲は4つの楽章で構成されております。
有名なピアノ五重奏曲の絢爛さと比較すると地味な趣きがございますが、きわめて魅力的な旋律をもつ第3楽章や対位法的に緊密に書かれた終楽章など、聴きどころ満載の傑作でございます。

ここで取り上げましたピアノ連弾版は、ライネッケ(Carl Heinrich Carsten Reinecke;1824〜1910)の手に成るものでございます。
ピアノ連弾によるシューマンのピアノ四重奏曲、お楽しみいただければ幸甚です。


第1楽章/ソステヌート・アッサイ ― アレグロ・マ・ノン・トロッポ 
    (I. Sostenuto assai - Allegro ma non troppo)
第2楽章/スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ(II. Scherzo : Molto vivace) 
第3楽章/アンダンテ・カンタービレ(III. Andante cantabile) 
第4楽章/フィナーレ:ヴィヴァーチェ(IV. Finale : Vivace) 

ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47・全曲連続再生 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇編曲:C. ライネッケ ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma