スーク/弦楽セレナーデ 変ホ長調 作品6
(Josef suk : Serenata in E flat major, Op.6)

弦楽合奏のためのセレナーデというジャンルで有名な作品は、まずモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、そしてチャイコフスキーとドヴォルザークのものが挙げられるでしょう。この3曲は別格ですが、それらに次ぐ曲としては、エルガーとスークの作品が考えられます。

ヨゼフ・スークはプラハ音楽院でドヴォルザークに師事し、後にその娘婿になった人物で、当初はドヴォルザークの後継者的な立ち位置にありましたが、次第に印象派やウィーン無調派など当時の先端的な書法も取り入れ、国民楽派とは異なる進路に向かいました。

弦楽セレナーデはスーク初期の作品で、1892年の夏に短期間で書き上げられた曲でございます。このときスークはまだ18才でしたが、セレナーデはその天才性を遺憾なく発揮しており、この作曲家の出世作となりました。
おそらくドヴォルザークの弦楽セレナーデをお手本にしたと思われるスークの曲は、1893年に前半の2楽章が、1894年に全曲が初演され、以来今日に至るまで、このジャンルの佳作として親しまれております。

「あそびの音楽館」では、この曲をシュペンゲル(Julius Spengel;1853〜1936)によるピアノ連弾のアレンジで演奏しております。弦楽本来のふくよかな音色はもちろん期待できませんが、万が一お楽しみいただければ幸甚に存じます。


 第1楽章:アンダンテ・コン・モート(I. Andante con moto) 
 第2楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ・エ・グラツィオーソ 
     (II. Allegro ma non troppo e grazioso) 
 第3楽章:アダージョ(III. Adagio) 
 第4楽章:アレグロ・ジョコーソ、マ・ノン・トロッポ・プレスト 
     (IV. Allegro giocoso, ma non troppo presto) 

 弦楽セレナーデ 変ホ長調 作品6・全曲連続再生 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇背景画像提供:「自然いっぱいの素材集」
◇編曲:J. シュペンゲル ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma