チャイコフスキー/ピアノ協奏曲全集
(Tchaikovsky : The Complete Piano Concertos)

Tchaikovsky チャイコフスキーは様々なジャンルで19世紀ロシア音楽に傑作をもたらした人でございます。それは協奏曲でも例外ではなく、彼のピアノ協奏曲第1番とヴァイオリン協奏曲は、ロマン派の時代に限らず近現代のロシアを代表する作品として、今日まで強靭な生命力を発揮しております。

ところが、その2作に較べると、残る2曲、第2と第3のピアノ協奏曲は知名度の点で甚だしく劣っていると申さねばなりません。

そこで、ここでは超有名作である第1番も含めて、チャイコフスキーの3つのピアノ協奏曲すべてを2台ピアノのためのアレンジで掲示してみることにいたしました。

こうして並べてみますと、やはり第1番の輝きは他を圧して別格といわねばなりませんが、第2番と第3番もそれぞれに魅力がないわけではありません。特に、チャイコフスキー自身が高く評価していた第2番は、そのスケールの大きさや豊かな楽想に満ちている点、惜しいところで傑作になり損ねた曲という気がいたします。また、第3番は文字通り交響曲になり損ねた曲であり、作曲者自身が失敗作と自認しておりましたが、曲の随所に見え隠れするチャイコフスキー節はそれなりの魅力を発揮しているように思えます。

ここで取り上げております2台ピアノ用のスコアは、チャイコフスキー自身による編曲でございます。
ピアノのみで演奏された3つのピアノ協奏曲、お楽しみいただければ幸甚でございます。

(2012.2.29〜2023.10.4)

ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23(Piano Concerto No.1 in B flat minor, Op.23) 
ピアノ協奏曲第2番ト長調 作品44(Piano Concerto No.1 in G major, Op.44) 
ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 作品75(Piano Concerto No.3 in E flat major, Op.75) 

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲:P. I. チャイコフスキー ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma